Grand Hyatt Tokyo [グランド ハイアット東京] グランドボールルームにて駐日欧州委員会代表部主催、ウィタンアソシエイツ株式会社内のEU Gateway Programme事務局が手がけた「weareurope'09」に行く機会を得た。2009-02-12の「2009年3月ファッションデザイン weareurope 展示商談会開催」のプレスリリースにもあるように、ヨーロッパから来日する35社のファッション関連企業は、日本市場への進出を目指すことが目的。
プレス内容以外での予備知識は今回はあえて入れず、会場での自分で初めて体感する事を選んだ。なぜなら、誰が言ったか100年に一度の世界同時不況の中、極東の島国に乗り込んでくる企業と個人のパワーを肌で感じ、そのエナジーを自分に取り込みたいと考えたからだ。3/25,26と開催された「weareurope'09」。さぞ大盛況かと思いきや、はっきり言って人がいない。ほぼ貸し切り状態。逆にこっちが東洋人の動くマネキンのように、各国のデザイナーから注目される始末。26日に伺ったが、初日25日にピークが来ていたのか、会場であるGrand Hyatt Tokyoの敷居が高かったのか、展示商談会の「商談」の2文字が二の足を踏ませたのかは定かではない。
そう言えば、最近こんな感じの思いを味わっている。高島屋のフロアでだ。いく店いく店で声をかけられる。家内に「これいいんじゃないか?!」なんて言おうがものなら、店員の方とのコラボ、即席ファッションショーが始まる。だが、女性はクールだ。絶対似合っているし、本人も気に入っているのに買わない。店から出た後で「気に入らなかったのか?」と聞くと、来週からポイントフェアが始まるから、その時にあれば買うという。Danger Ladyだ。お買い得もしくは安くなるのがわかっていて買う顧客は、日本にまだいるのか?この「あれば買う」を「今買う」という心理にするためにはどうするか。一つの試みが後述する「Gilt Groupe」。
今、日本も含め世界の消費者は、価格 対 機能や形にシビアだ。気に入った形や機能があっても、価格と折り合いがつかないと買わない。形や機能といっても、トータルデザインでいいと思うものもあれば、ポケットの形がいい、丸襟で大きめのが好き、この色大好き、他の人が持っているとダメだったり、でも、モデルが颯爽と着こなしたり、フェミニンでキュートに着ていると、その服を通してカワイイやステキを取り込んで自分のモノにしたりと、千差万別。もはや、マス(大衆)は存在しない時代に入っている。個々の特性を持った小グループを、いかにしてマスに仕上げていくかが肝要。
ここで日本代表のブランドを紹介。Dangerは、久々に買ってもいいMy Favoriteなスーツ。それも、メイドインジャパン。ブランドの名はCOOL STRUTTIN' & co.[クール・ストラッティン]という。1950年代のニューヨークの黒人モダンジャズミュージシャンのスタイルをインスパイアし、ジャズ・ピアニストのSonny Clark [ソニー・クラーク]の有名なアルバムCool Struttin'(1958年)をペルソナ [persona] マーケティングしたブランドだ。これでもかというくらいジャズマンになれるが、Dangerはスーツのみ愛用している。マイクロトレンドでのニューブランド。展開しているのが総合ファッションアパレル企業のワールド(WORLD)。
まずは、会場を1周し、これはっ!というブランドをファースト インプレッションでサーチ。2周目、デザイナーや関係者の雰囲気をサーチ。暇そうにしている人、積極的に笑顔を絶やさない人、マイペースな人を発見。ファッション業界特有だろう、女性の方が目立つ。欧州、とくに北欧の方は、肌が綺麗な方が多いなと、男目線でも、もちろんサーチしたが、残念ながら気になったブランドは、男性しかいなかった。ブース毎に国名とブランド名が書かれてあり、恥ずかしながら、日本との外交関係の最新情報をすぐに言えない国が多かった。
初めに話しかけてきたFRAZZO [フラゾ]のブランド関係者(めちゃめちゃキュートな女性)の国がLatvia [ラトビア共和国]の首都Riga [リガ]から来日。日本人から情報を聞き出すには、女性をあてがうか、情報を知らない事をけなし(あなたの立場で、そんな重要な事も知らないのですか?)、個人のプライドを落とせば、すぐに情報を吐くという。日本人は国家よりも個人のプライドを最優先にすると、ある証言を読んだ事がある。気をつけなくては。ラトビアと聞いて正直すぐに、バルト三国のラトビアねって出てこなかった。そのラトビアの個人が日本の市場開拓を考えている。ラトビア自体に俄然興味を持ち、相手はデザインや日本の話をしたいのに、ラトビアに関して質問攻めにした。もちろん強力な助け舟。日本人女性の通訳の方を介して。
Latviaは、220万人強の小国で、以前は漁業だったようだが、主な産業と言えるものは特にないという。外務省の経済データと、生の声との乖離がここにある。2007年5月に天皇皇后両陛下が御訪問している。両陛下の国家と共に歩むその御覚悟、Danger改めて敬服致しました。
ラトビア話の中で、お酒の話になり、Balsam [バルサム](たしか?)ハーブが入ったリキュールでWhiskey Bon BonならぬBalsam Bon Bonを頂いた。なんかやな予感。寒い国=酒強い=アルコール度数高い。それも、いままで見た事のないBon Bonのでかさ。ボトルの形状にもっと丸みを与えた形で、初めに突起部分を軽く噛む。通訳の方も試食済で、一気にかんだらこぼれてくるわよ。と。マジで!まさか、そんなに入っているのかと思い、軽く噛んだら、ナンだ少ないじゃん。と思い、Mr. Aleksandrs Pavlov(FRAZZO designer)に、一気に食べるんだよと言われ、入れたとたん、何度あるんだこれ!ウィスキーの倍はあるな。調べたところ、アルコール度数45%。でも、酒としてはウマいデス。初めに声をかけたくれた女性は、Mr. Aleksandrs Pavlovのgirl friendでdirectorでした。日本男児!酒と女には気をつけろ。
Slovakia(英語) [スロバキア]の首都 Bratislava [ブラチスラヴァ]から、素材のメインがニットで、その柔らかさと洗練されたデザインが印象的なDANA KLEINERT [ダナ・クライナート]。触感を確かめていると、ブロンドのひげをはやし、体格の良い大男が近づいてきた。まさか、この人が?!アトリエでニットを????いや、日本では男のニットの会もあるくらいだ。海外でも、ニット=おばあちゃんの手編みなどと、大正な発想はやめよう。しかし、この大きな手でと刹那思っていると、すーと、日本人女性の通訳の方登場。
英語大丈夫ですね?まさか、ぜんぜん。でもコミュニケーションには、軸足があると思っている。互いの共通の軸があれば、不思議とだいたい何をいっているのかわかる。今回は、Fashion、Design、Japan、Creative [創造や独創]。この語彙を日本語で、また、外来語を理解し、具体的にロジックとして持っていれば、何とかなる(はず)。
今回、DANA KLEINERT [ダナ・クライナート]は、リバーシブルできるラインの商品を持ち込んでいた。リバーシブルできる事をアピールするので、リバーシブルは、商品としての付加価値になるのか?という持論を伝えた。Dangerは、リバーシブルといった既製服での提案は、購買動機を起こさせるささやかな添え物であり、決定打ではないと10代の頃から思っている。また、ファッションコーディネイトのセンスとしては、ハイレベルになりづらく、コンビニに行くぐらいのローカルな場所での使用に結局落ち着く。鍵はファッションコーディネイトの啓蒙だが、個人の服の在庫を把握するのは、現時点では不可能。今、My closet的なオンライン上で自分の服やアクセサリーのお気に入りをストックするサービスが出始めたが、製品ライフサイクルの短さや世界的に有り得ない価格のオフ。40%OFFではこんな時代誰も動かない。70%-80%が当たり前となり、セールの開始もシーズン中で早すぎるくらいになっている。
そこにきてハイセンスなリバーシブルを提案しても売れるのだろうか。価格を抑えたら、そういうブランドのイメージが着く。今の時代、ひとつの商品に飽きられたら、過去の実績はあっと言う間に吹き飛ぶ。だから、リバーシブルを商品セールスポイントに持ってくるのはベストな戦略ではない。誤解をして欲しくないが、DANA KLEINERT [ダナ・クライナート]のニットを使った世界観は非常にいい。ニットのハーフコートは、カジュアルでいてエレガントな雰囲気を持ち、冬の着こなしアイテムとして、Danger Ladyは確実に購入するだろう。良い商品というのは、そのモノから、色々なsituation [シチュエーション]が、自然と沸き上がってくる。
倹約の時代となり、リバーシブルがエコや節約になるとしても、エコバッグのような社会貢献的なコンセプトがあり、ムーブメント化しないと勝算はない。DANA KLEINERT [ダナ・クライナート]のリバーシブルできる商品も、リバーシブル云々よりも、商品としての完成度は高いので、そういった意味でもニットの世界観を大きく打ち出した中で、リバーシブルの商品も展開し、ショップでは両面展示し「これってリバーシブルで楽しめるのね」とお客様に気づいて頂き、発見を演出した方が良い。
リバーシブルとは違うが、裏地の楽しみ方として日本の粋な部分を伝えた。COOL STRUTTIN' & co.[クール・ストラッティン]のスーツは、スタイルや生地もさることながら、裏地の思い入れが最大の購入ポイント。旭化成せんい キュプラ繊維のBemberg [ベンベルグ]を使用。深紅のその生地に、ポケットが5カ所あり、使用用途に合わせて使い分けられる。表地と裏地の境界はシーズ・ステッチがあしらわれている。人に見せるモノではないが、時折、顔をのぞかせる表地と裏地のコントラストが醸し出すデザインの奥深さに共感する考えを伝えた。Value for Money & できることならLow Costってやつだ。
彼は、DANA KLEINERT [ダナ・クライナート]のdesigner DANA KLEINERTのhusbandで、このブランドのexport manager兼architect [建築家]だという。DANAは、現在御懐妊の為、残念ながら来れなかった。
Gilt Groupe [ギルト・グループ]はご存知だろうか。「Luxury designers and fashion brands at prices up to 70% off retail.」世界中のラグジュアリーブランドを時間限定で販売するネット上の招待制ファミリーセール。最大優待価格は市価の70%OFF。毎週月曜日にセールスケジュールのメールが届き、ブランド毎にセール開始日時があり、1回のセール(1人が購入可能品数は10点まで)につき36時間の制限を設け、今のチャンスをお見逃しなく!的な超ショートスパンで、かつカートに入れた商品を確保できる有効時間は10分間のみのゲーム性(争奪意欲を掻き立てる)の高いゲッティングなEC [eコマース]に、SNS [ソーシャル・ネットワーキング・サービス]を融合させたSocial Commerce [ソーシャル・コマース]という概念でのビジネス。
mixiのような「完全な紹介制」でGilt Groupe日本版はスタートしていない。現時点ではメンバー登録 (入会費、年会費無料)をすればいい。また、友達、知人、ゆるい関係の他人を招待し、その人たちが商品購入した場合、初回に限り紹介者へ2,500円の商品券(クレジット)がもらえるキャンペーン中。一挙に利用者を獲得するねらいだ。これは、incentive [インセンティブ]への奉仕活動をし、紹介者も継続的な顧客となる流れもかねる。
射幸心を煽っているとは言えないが、モノがあふれ好きに何でも当たり前に手に入る時代。不況とはいえ節約など人はできない。節約 → 忘却 → 衝動買い → 自己嫌悪 → 言い訳 → 節約 → 忘却 → 衝動買い → 自己嫌悪の連続だ。なぜ節約するのか?いつまで?どのくらいの金額を?節約したお金はどうする?自分を律し継続できる人は、すでにある程度の金融資産を得ている。
Gilt Groupeのヴァーチャルな世界でのタイムセールとは、なかなか考えたものだ。もう消費という言葉では、説明のつかない消費行動を顧客がとっている時代なのかもしれない。そして、常套手段だが、圧倒的効果の高い二重プライスの誘惑。
Gilt Groupeの経営陣を見れば、各分野におけるバランスの良さがよくわかる。Gilt Groupe創業者でCSO [最高戦略責任者]のAlexis Maybank [アレクシス・メイバンク]。eBayやAOLのeコマースに関わっていた [英文では、an early employee of eBayをeBay and AOL executiveに変更している?]eコマースの女王としたら、もうひとりの創業者でCMO [最高販促責任者]のAlexandra Wilkis Wilson [アレキサンドラ・ウィルキス・ウィルソン]は、Luxury brandsのBulgari と Louis Vuittonにてリテール部門 [英文では、formerly of Bulgari and Louis Vuittonからformer Louis Vuitton and Bulgari executive.に変更?]で働いたLuxury brandsの小売り仕掛人。会長は、Kevin Ryan [ケヴィン・ライアン]。インターネット広告配信、メールマーケティング、モバイルマーケティングを手がけるCyber Representative [サイバーレップ]の米国DoubleClick社の元CEO [最高経営責任者]。現CEOは、ABC Entertainment元社長のSusan Lyne [スーザン・リン]。THE WALL STREET JOURNAL'S TOP 50 WOMEN TO WATCH 2006にMartha Stewart Living Omnimedia Inc.のCEOの時に選ばれている。 日本女性では、2005年に勝間和代氏。2008年に株式会社ディー・エヌ・エー [DeNA]の創業者 南場智子氏の2名。
DANA KLEINERT [ダナ・クライナート]を後し、印刷物(カタログ、ブローシュア、リーフレット等)が置いてあるコーナーを観察。圧倒的に、媒体を活用しているNetherlands [オランダ]のHANS UBBINK [ハンズ・ユービンク]のブースにいき、二人のオランダ人男性が向かえてくれた。
HANS UBBINK [ハンズ・ユービンク]の商品を見た時、Roen [ロエン]が出てきた。「俺たちのセンスがおまえにわかるか?」的な尖り具合といい、カンパニーとしてのビジョンを打ち出す根底の思いに共通した考え方がある。このブランドは日本いやアジアの若者に受け入れられる。欧州でも日本でもアジアでも特に若い頃、また、若者はアメリカ文化から影響を受けている。American Casual [アメカジ]の系譜に属するといってもいい。もっと言えば「ROCK」の系譜。Dangerも同様だ。その感覚を各自が自分で精製し、民族や伝統スタイルに移行したり、アメカジと融合し新たな自分たちのスタイルを創り出す。
共通した根底の考え方とは、自らの思いに共感、共鳴する人に着て欲しいと思っている事。だからこのブランドが嫌いな人もいて同然と考えている。万人受けするような、従来のDemographics [デモグラフィック]なマーケティングでは決して見つからない顧客がそこに存在する。前にも触れたが、オランダのストリートカルチャー系のアメカジ SCOTCH & SODA [スコッチ&ソーダ]は、2007年、本家アメリカに上陸を果たしている。このブランドも独自のマーケティングを編み出している。
HANS UBBINK [ハンズ・ユービンク]のdesigner Mr. Hans Ubbinkは「だから我々は日本において、短期スパンでの戦略を考えているのではない。」また、こうも言っていた。「オランダでメンズを立ち上げた際、オランダで著名なマーケッターに売れないと言われた。しかし、今日ではブランドとして、Paul Smith [ポール・スミス]やHUGO BOSS [ヒューゴ・ボス]と並ぶまでになっている。」と。
Portugal、Latvia、Sweden、Slovenia、Austria、Germany、Finland、Netherlands、Italy、Belgium、Poland、UK、Spain、Bulgaria、Sweden、Czech Republic、Denmarkといった国のdesignerが訪日した今回の「weareurope'09」。全designerと話がしたかったが、タイムリミット(とはいっても3時間位話をした。)になり悔やまれる。
個人が考え、動き、結果を出そうとするパワー&スピードは、国や団体、組織よりも明らかに強く早くなっている。これを脅威と感じるか、チャンスと感じるかは、また個人の考え方次第だ。彼らの国は自国では成立しないスモールマーケットだ。外に出て行く事で、
活路を見いだすほかに選択肢はない。Mr. Hans Ubbinkに「ビックマーケットであれば、中国はどうなんだ。」と聞くと、「香港にも、よってきたよ」また、「日本は内需に力を入れるだろ。そこに(割って)入っていくのさ。」と最後には本音に近い事を言った。個人がアジアでセールスキャラバンを行っている事実。protectionism [保護貿易主義]に日本がなろうとも、彼らは必ず「我々も混ぜろ!」と言ってくる。Japan Nothing [ジャパン ナッシング]よりも、未来の日本市場において「There weren't any Japanese」とならない為にも、ひとりひとりの個人が、個々の人生において情熱を傾けて欲しい。
最後に、日本に来てDangerと意見を闘わせてくれたDesignerの皆様と、親身に通訳をして下さったtranslatorの方々に感謝します
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